2011年1月7日金曜日

【報告】ラグビーコンディショニング座談会



1月2日、国立競技場で大学選手権準決勝が行われているその裏で、今年最初のイベント「ラグビーコンディショニング座談会~ラグビートレーニング・現場の知~」を開催しました。

お正月のお忙しい時にも関わらずご参加いただきました皆様、そして今回の試みにご賛同いただきましたパネリストの皆さまにはこの場をお借りしお礼申し上げます。ありがとうございました。

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ラグビーコンディショニング座談会~ラグビートレーニング・現場の知~
日時:2011年1月2日(日)13:00-16:00
会場:ホテルコムズ大阪
パネリスト:
下農裕久氏(日本ラグビーフットボール協会代表事業部HP部門S&Cコーチ)
吉村直心氏(やまぎわ整形外科/同志社高校ラグビー部コーチ)
牧野慎二氏(立命館大学ラグビー部ストレングスコーチ)
辰見康剛氏(関西学院大学ラグビー部コンディショニングコーチ)
栗田興司氏(PCP/天理大学ラグビー部コンディショニングコーチ)
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 前半の講演では、はじめに下農裕久氏が「日本協会におけるユース年代へのストレングス&コンディショニング領域に関する取り組み」と題して、日本協会の取り組みを紹介するとともに、グループワークを行い参加者とともに日本ラグビーの「強み」と「弱み」をピックアップし今後の課題を共有しました。次に辰見康剛氏が「大学ラグビーにおける身体づくり」について関西学院大学での事例を挙げ、大学のチームでいかにモチベーションを維持させカラダづくりに取り組ませるかというノウハウと、それらを可能にする組織づくりと現場のマネジメントについて述べられました。最後に吉村直心氏には、同志社高校での指導をふまえ「ラグビーにおけるランニングスキルの向上」についてラグビーに必要な要素の理解と、ランニングスキルの向上をバイオメカニクス的見地から解説いただきました。

 後半は前出の3名に牧野慎二氏と、栗田興司氏に加わっていただきパネルディスカッションを行いました。「学生への指導で大切にしていることは何か?」という質問に、牧野氏(前年度まで近鉄ライナーズ所属)は、社会人でも学生でもトレーニングの目的等を丁寧に説明し理解させることに変りはなく、それを言い続けることの重要性を強調されていました。「対関東勢への取り組みと今後の課題は?」という質問に栗田氏は、「現状では、入学時には関東の強豪チームほど大きい選手が入ってくるわけではないので、超音波や体組成計等を駆使したフィジカルチェックや綿密に計画したフィットネステストを行いサイズアップを重要課題に挙げつつフィットネス向上に取り組んでいる。今年度の反省点もふまえ今後はさらなるサイズアップとフィットネスの向上に取り組みたい」と述べられました。

 ディスカッションの中でパネリストが共通して挙げたのが「モチベーションの維持・向上」でした。トレーニング指導者は専門的知識もさることながら動機付けのスキルが需要であることを再認識させられました。


下農氏 日本協会代表事業部ハイパフォーマンス部門におけるビジョンとその具体的な取組を紹介いただきました。


辰見氏 大学のチームでいかにモチベーションを維持させカラダづくりに取り組ませるかというノウハウと、それらを可能にする組織づくりと現場のマネジメントについてお話いただきました。


吉村氏 ラグビーにおけるランニングスキルの向上についてバイオメカニクス的見地から解説いただきました。


映像と実技を交え、カラダの使い方を学びました。


参加者からのご質問を中心にパネルディスカッションを行いました。

ラグビー先進国においてはプロ化の影響もあり、ますます体力的要素の重要性が論じられ要求される体力レベルも高くなりつつあります。日本においても同様に体力的要素の向上はパフォーマンス向上だけでなく安全面においても非常に重要なファクターとなっており様々な取り組みが行われています。しかしながらそのような取り組みについてはあまりオープンな場で議論される機会は多くありません。今後も今回のような「現場の知」を共有し議論する機会をつくることで、新たな知の創造に結びつけていきたいと思います(打谷)。

◎ご参加いただいた方々の声
・ラグビーのトレーナー、ストレングスコーチのトップにいる方々のお話が聞け、質問もできたので良かったです。

・ラグビーに特化したしかも座談会というのは新しく、大変勉強になりました。強豪校の取り組みを聞くことができ、参加して良かったと心から思います。

・座談会という形式は、非常におもしろいのですが、講演と座談会のバランスが難しいと思います。講演も、もう少し深く聞いてみたいと思いました。しかし、少人数で、コンパクトな感じだったので、講師との距離感も近く、堅苦しくない感じがよかったと思います。

・興味深いお話しばかりでした。各チームの取り組みをさらに深くお聞きしたくなりましたので次回またこのような機会をセッティングしていただければうれしいです。

・現場でご活躍されている方のご苦労や知恵を聞くことができてよかったです。

・これまで参加したラグビーのどの研修会よりもためになりました。

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